太陽光発電ソフト取扱説明書
本ツールは、太陽光発電量・市場価格・日照時間・外気温を60分粒度に統合し、省エネ法の会計年度に沿って可視化・指標化します。発電の市場価値を見える化し、運用・投資・報告の意思決定を速く正しく行うことを支援します。
CostBox-DR Series — 2025/10/23
本ツールの主な目的
市場価値の把握
発電の加重平均による市場価値を正確に算出し、収益性を可視化します。
省エネ指標化
ΔPI(MJ/単位)を試算し、活動量Cを用いた原単位評価を実現します。
統計的把握
単回帰・複回帰分析により、発電を規定する要因を定量的に理解します。
DR戦略支援
価格と発電の整合性を評価し、デマンドレスポンス戦略の出発点を提供します。
入力データの要件
必須データ
太陽光発電(60分粒度)
列名例:日時、年月日時刻
発電量(kWh)を含む
UTF-8文字コード推奨
CRLF改行(Excel互換)
任意データ
市場価格(30分→60分自動変換)
プライス/価格/単価を含む列名
日照時間(60分)
日照時間(時間)列
外気温(60分)
気温(℃)列
列名や時刻の書式に揺らぎがあっても、自動推定(柔軟パーサ)で極力吸収します。
操作手順
01
CSVアップロード
価格(30分)、発電(60分・必須)、日照(60分・任意)、外気温(60分・任意)を選択します。
02
価格列の選択
時刻列(自動/指定)と値列(エリア)をプルダウンで決定します。
03
活動量Cの入力
任意で活動量C(生産量・延床面積・病床数など)を入力します。
04
計算実行
「60分統一して計算・可視化」ボタンをクリックします。
05
結果確認
KPI・時系列・散布図・温度グラフ・年度別サマリーを確認します。
06
データ出力
必要に応じて結果CSVまたは年度別CSVをダウンロードします。
出力・画面構成の読み方
診断メッセージ
取り込んだ行数や欠損、選択状況を通知します。データの健全性を即座に確認できます。
KPI(要約指標)
解析対象期間、平均市場価値(円/kWh)、ΔPI(MJ/単位)を表示。発電の価値と効率を一目で把握できます。
グラフ表示
時系列(発電・価格・日照)、散布図+回帰、外気温の時系列、年度別サマリーを可視化します。
CSVエクスポート
UTF-8 with BOM、CRLF形式で出力。文字化け対策済みで、60分化後の時系列と年度別サマリーを書き出し可能です。
省エネ法・DRとの関係
会計年度モード
標準で4月〜翌3月の省エネ法会計年度に対応。暦年(1月〜12月)への切替も可能です。
ΔPI(MJ/単位)
省エネ法の原単位評価の思考様式に沿った補助指標。活動量Cで正規化し、施設間や年次比較を可能にします。
DR活用の視点
上げDR(0.01円/kWh等)と発電ピークの一致度を把握
下げDR時間帯の発電余力(自家消費/蓄電)を検討
8:00〜16:00のスロット限定評価も追加可能
統計解析の目的と効果
単回帰分析
日照→発電、気温→発電の主要因の感度を把握。パネル有効性や高温時の効率低下を定量化します。
複回帰分析
日照+気温→発電の相互作用を切り分け。設備投資や運用の費用対効果を定量化します。
経営判断への接続
価格波形との同期が高い季節・時間を抽出し、DR収益機会の最大化策を決定します。
R²≧0.6なら運用KPIとして妥当性が高い目安となります。説明力の高いモデルで、確実な意思決定を支援します。
年度別サマリーの使い方
棒グラフ
年度の発電合計[kWh]を表示。発電量の年次推移を視覚的に把握できます。
折れ線グラフ
市場価格の加重平均(発電で重み付け)[円/kWh]を表示。価値の変動を追跡します。
活用方法
発電増加でも価格下落年はリスク。価格が高い年度に合わせて蓄電・自家消費の最適比率を検討できます。
会計年度での省エネ報告・内部統制にそのまま転記可能です。発電が増えていても価格が下がる年は、売電価値の下落リスクとして認識し、対策を講じることができます。
グラフの目的と読み方
時系列グラフ
発電ピークと価格ピークの同期性を把握。発電と価格の山が重なる季節・時間帯が価値の高い発電です。
散布図+回帰
発電の支配要因の感度(a,b)を数値化。日照係数が大きいほど効率的、気温係数が負なら冷却対策が有効です。
外気温の時系列
効率劣化の季節性や猛暑影響を把握。温度上昇と発電効率の低下が同時進行する場合、冷却・通風の効果を試算できます。
トラブルシューティングとFAQ
よくある問題と対策
価格が「—」になる
:価格CSVの値列未選択。プルダウンでエリア列を選択してください。
時刻が合わない
:価格CSVの時刻列を変更して再実行してください。
CSVが文字化け
:UTF-8 with BOMで出力済み。Excel側で文字コード自動判定を有効にしてください。
グラフが出ない
:発電CSVの行が0や非数値の可能性。ヘッダ名と数値欄を確認してください。
よくある質問
Q:ΔPIの単位は?
A:MJ/単位(分母は活動量C)。kWh×3.6(MJ換算)を合計してCで割ります。
Q:R²はどの程度で良い?
A:運用改善で0.4〜0.6以上、設計・投資判断では0.6〜0.8を目安にします。
Q:上げDR(0.01円/kWh)との付き合い方は?
A:8:00〜16:00の対象枠に絞った評価フィルタを追加可能です。
時刻のズレ(30分と60分混在)は自動で60分化(平均)処理されます。欠損・外れ値は非数値・NaNとして回避され、回帰やKPIから除外されます。列名の差異も主要語で候補抽出し、柔軟に対応します。